広い関東平野の果ての果て、群馬県と栃木県県境の山の中にある街、足尾。関東平野の果ての果てなのでなかなか行きたくても足が向かなかったので今回は関東を出るということで、一念発起行くことにしました。

桐生から始まる気動車旅

横浜の自宅から桐生まで宇都宮線と両毛線を乗り継いで3時間近く。桐生へ。
乗り継ぎまで時間があったため徒歩10分くらいのところにある喫茶店でまったりしながら待つこと1時間ほど。桐生の駅に行くとすでに和テイストの塗装の気動車が来ていました。
わたらせ渓谷鐵道。桐生から栃木県の間藤駅までを結ぶ第三セクターの鉄道会社。
かつての国鉄足尾線です。

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▲わたらせ渓谷鉄道の車両

気動車は桐生を出るとすぐに渡瀬川を渡りみどり市の市街地をひた走り、すぐに景色は路線名にもある渡瀬川の渓谷の景色に変わっていきます。
渓谷を抜けてしばらく足尾の市街地を走ると最初の目的地、足尾駅に到着。ここにきた目的はここに保存されている保存車です。
かつて国鉄足尾線を走ったキハ30をはじめ、スイッチャー、タンク貨車まで保存されています。
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▲かつて足尾線を走ったキハ35+キハ30

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▲保存されている3機のスイッチャー。ロッド駆動の年代物

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▲かつての貨物列車よろしく連結されて保存されている貨車

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▲かつて足尾線を走った濃硫酸用のタキ29300

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▲石油・ガソリン輸送用のタキ35000

日本に数多く保存車はあるものの、濃硫酸タキや石油タキが保存されているのは非常に珍しい事例と言えるでしょう。
足尾から一駅手前の駅の近くで腹ごしらえした後、終点間藤へ。

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▲国鉄足尾線時代から旅客線としての終点だった間藤駅。ただこの先にレールにレールは繋がっていた。

終点間藤に到着した後は次の目的地、足尾本山へ徒歩で行きます。かつて足尾線は貨物輸送で栄えた路線で銅山関係の製錬所への輸送を行っていました。先ほどの濃硫酸タキもここで使われていました。
その遺構は現在も残っており、敷地外からでも見ることができます。
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▲途中、道路との交差地点から廃線跡をみる。錆びたレールが残っている。

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▲公道からレールに近づける場所があったので近づいてみる。ここを貨物列車が行き交っていたのかと過去に思いを馳せる。

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▲門の間から足尾本山駅構内を見てみるとレールもそのまま当時の腕木式信号機も残っていた。

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▲奥の倉庫のような建物が製錬所。
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▲山あいに聳え立つ製錬所はまさにジブリの世界のようだ。

炭鉱の跡を見ているとジブリの「天空の城ラピュタ」に登場する炭鉱跡を彷彿とさせるような光景が広がっていました。かつては銅山で栄えたこの街も強者どもが夢の後、静かな山となっていました。

神戸駅のDRCの中間車を使ったカフェにもいきたかったのですが今回は時間の関係でパス。


またきたくなる、そんな鉄道でした。